2012年12月24日月曜日

藤原一生先生の講演その10

 文部大臣とのやり取り〜天動説〜

それで、私がここに座っていると、西岡先生がここで、こう、やってね。
その時に、一番最初に大臣の第一声が、何を言われたかというと、
「先生はなぜ、今までもっと早くここにお座りにならなかったのですか?」と言われたんですね。
で、僕は、「それは天が動かなかったんです。」って言ったんですね。
「天動説です」って言ったんです。天が動かない。天動。ご自分でね、膝に字を書いておられるんです。それをこうね、
ぱっと逃さないのが作家ですね。
文部大臣の指先がね、字を書いていましてね、
一生;「あっそれ違います。それは「童」っていう字です。それは山形県の天童。確かに童のようになると自然にピシッと力が入る意味もありますが、私らの場合は、ガリレオと同じで、天が動かなかったっということなんです。」

大臣;「あっ「動」ですか?」

まるで国語の時間でしたね。

そういう瞬間というのは、文部省の記録の中に残すべきではないですかね。
初めて、そこで、漢字の意味、日本語の意味の深い、日本語の美しさについての大臣と自身とのやり取りがあったんです。

大臣;「それはどういうことですか?」
と言われたから、

一生;「私は政治力で、原文平さんとか北杜夫さんとか、偉い人いっぱい知っております。で、そういう人たちからここに座るのはできたでしょうが、僕はそういうのが嫌いなんです。自然に座りたい。天に連れられて、ここに座る時期を待ってたんです。それが、今日来たんです。
大臣;「あ、そうですか。」

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