2013年1月9日水曜日

藤原一生先生の講演その16

 どこら辺から自分がダメになり、助けられたか

〜 妹の死 そして、 荻窪教会 〜


あとはもうガラクタですね。
オヤジの酒くさい臭い。
オヤジの怒鳴り声。
ぶん殴られる、逃げる。もうオヤジのアル中(アルコール中毒)のね、始まる訳ですね。
妹が亡くなってから。

そういう子が一体どうなるか?

皆さんも想像つくと思いますが。

とにかくケンカっぱやい。
勉強ができないから。
行ってもわかんないからしない。
段々そうなっていきますね。

だけど、ある時、僕は級長って言ってましたね。
3年生の時かな?4年生の時だな。級長になったことがあるんですよ。
それは全部の子どもに投票させたら、なった訳ですね。
そしたら、先生が困って、「それは違法である、ダメだ。」って言ってね、みんなの投票で決まったんだからって、僕の副団長が有名な奴で、先生とケンカしたけど、結局、降ろされちゃったんですけど。
一回だけ、仮の級長になったんですけどね。幻の級長ね。

ちょっとあのね、自分の子どもの時からね。
勉強のことで見てみるとね。
例えば、先生が黒板に書くでしょう。
何かをね。聞いているとわかんないけどね、先生ったらバカじゃないかなって思うことがあったんです。
なぜかというと、こうすると同じ答えが出るじゃないかって、自分で書いていると、テストの答えが。
先生に、「こうやった方が早いんじゃない?」って言うと、
「またかバカ。黙ってろ。ああ確かに合っている。中間を書かないで答えだけを書いたらダメだぞ!って言ってね。そうするとおかしいのではないかなあ?って思ったことがあるの。
だから、下から伸びていくんじゃないかって思うんだよね。
それから不思議に、あの、、。
数学の話、昔は算木(さんぎ)って言ったんだけどね。

僕はね、どこら辺から自分がダメになったのかなあって考えると
4年生ぐらいの時にね。
昔の教科書は白黒だけだったんだよね。

下に十個の俵が書いてあったんですよ。
段々と上に9個、8個ってピラミッド式にね。
そういうのが教科書に出てるの。

3年生の後半くらいかな?
1個をぱっと取ったらどうなるか?という問いに
みんなが「はい!はい!」ってさ
10−1=9になるでしょうって言うけど。
そこはドラマで言っちゃうよね。作家というのは。

僕は「はい!はい!」って手を挙げた事がないんですよ。
挙げたことがないのにね、たまたま挙げたの「はい!」って。
「おっ、かずお珍しいなあ。言ってみろよ」

「1個取ったらみんな崩れます」って言ったの。ざあっとね。
本当に崩れると思ったよね。
そしたら、「貴様、俺をおちょくるのか?」って言ってね、「立ってろ!」って言ってね。
あそこら辺から、なんかね算出が始まるとおしっこに行きたくなるの。ムズムズするんですね。

こういうのは、非常に、僕は、今も小学生の時にね、くだらない、冗談じゃなくてね、真剣に子どもらの前で話すんですがね。
3、4年の頃にそういう習慣をつけるとね。
大人になるまで続くのね、そういうの。
僕、未だに女房がね「この間三万出したしょ、おつり!」って言うと、
まずトイレに行きたくなりますね。何か数学、数字でいじめられると、すぐトイレに行くっていうのはどういう体質なのかってね。

そういうようなことがたくさんありましたね。

時間があまりありませんからね。

とにかく、ダメな方向へどんどん行って、学校へ行くのが嫌になる。そして、浅草ロケへ行って、映画を見るようになる。

で、町の役員が集まって、この子をこの町に置いておくと、
火つけられるかもしれないから、と言って
少年院に入れられそうになる。

そういう時に、
「いや、それはいけない」「この子のために良くない」と。
「私が引き取りましょう!」って言って、荻窪教会。
汚いね、今にも倒れそうな汚い教会があったんですね。
そのおばちゃんが、僕を1年間面倒をみてくれたんですね。その時のドラマがここ(「あかい目」という本)に書いてあります。

人間というのはどういうドラマで助かるかわかりません。

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